RSIの度数分布(日経平均、TOPIX、ドル円)
日経平均のデータから計算したRSIの度数分布図をネットで検索したところ、
そのようなデータを扱ったサイトが見つからなかったので、RSIの度数分布についていろいろ調べてみました。

日経平均、TOPIX、ドル円についてそれぞれのRSIの度数分布図を作りました。
用意したデータは1999/1/4〜2010/12/30の4本値です。
RSIのデータは2000/1/4〜2009/12/30の10年間を使います。
RSIの計算式はCutlerのRSIとしました。
度数分布はRSIの計算結果をROUND関数で四捨五入し、0〜100までの101区間に振り分けます。
つまり、度数50の区間の範囲は49.5以上50.5未満というようになります。
だから、0の区間の範囲は、-0.5以上0.5未満、100の区間は99.5以上100.5未満ということになります。
RSIの計算結果は必ず0以上100以下になるので、0と100の区間だけ他の区間とは幅が狭くなるのですが、
切り上げ、切り捨てでは0か100のどちらかが極端に狭い範囲になるので、今回はこのようにして集計しています。

日経平均 RSI度数分布図(14日)
緑が度数を示し、ピンクの線はデータ区間から標準偏差を計算し、その数値から正規分布を計算したものです。
中央付近が正規分布と比べると若干少ないように見えます。


これだけではよくわからないので計算日数を変えてみます。
計算日数を長くした場合(50日)
日経平均 RSI度数分布図(50日)

計算日数を短くした場合(7日)
日経平均 RSI度数分布図(7日)
計算日数を長く取ると値が中央付近に近くなり(50近傍に寄ってくる)、短くすると分布が広がることがわかります。
14日と同様に正規分布と比べると中央部分が若干少ないように感じます。
7日の方は0と100の度数が増加しているように見えます。

もっと短くしてみます(4日)。
日経平均 RSI度数分布図(4日)
0近傍、100近傍の度数が著しく増加しそれ以外の分布が一様になります。正規分布とは合わなくなるようです。


次に、期間内での数値に偏りがあるかどうか調べるために、データ区間を2年ごとに区切り、
重ねて表示してみます。
日経平均 RSI度数分布図(14日) 2年区切り
区間内のほとんどの時期が下落相場だった2000-2001年(図中では赤のライン)はピークが若干左にシフトしており
その逆で上昇相場だった2004-2005年(図中では黄色のライン)はピークが右にシフトしているように見えます。


50日の場合が以下の図です。
日経平均 RSI度数分布図(50日) 2年区切り
赤のラインでは左シフトが顕著になりましたが、黄色のラインも左にシフトしました。

4日の場合を見てみます。
日経平均 RSI度数分布図(4日) 2年区切り
4日では期間ごとの偏りは見えませんでした。

TOPIXについても同様に調査してみました。

TOPIX RSI度数分布図(14日)
TOPIXは正規分布に近い形になっていると思います。


日経平均と同様に計算日数を変えてみます。
計算日数を長くした場合(50日)
TOPIX RSI度数分布図(50日)
計算日数を短くした場合(7日)
TOPIX RSI度数分布図(7日)
計算日数を長く取ると値が中央付近に近くなりピークが左にシフトしました。 短くすると分布が広がるのは日経平均と同様でした。
7日の方で0と100の度数が増加するのは日経平均と同様でした。

もっと短くしてみます(4日)。
TOPIX RSI度数分布図(4日)
0近傍、100近傍の度数が著しく増加し、それ以外の分布が一様になるのは日経平均と同様です。

次に、期間内での数値に偏りがあるかどうか調べるために、日経平均の場合と同様にデータ区間を2年ごとに区切り、
重ねて表示してみます。
TOPIX RSI度数分布図(14日) 2年区切り
上昇相場だった2004-2005年(図中では黄色のライン)はピークが右にシフトしています。
2008-2009年(紫のライン)のピークが左にシフトしている感じに見えます。


50日の場合が以下の図です。
TOPIX RSI度数分布図(50日) 2年区切り
空色以外のラインのピークが左にシフトしています。

4日の場合を見てみます。
TOPIX RSI度数分布図(4日) 2年区切り
4日では日経平均の場合と同様に期間ごとの偏りは見えませんでした。

最後にドル円について同様の調査をしました。
ドル円 RSI度数分布図(14日)
中央付近が正規分布と比べると若干少ないように見えます。


計算日数を長くした場合(50日)
ドル円 RSI度数分布図(50日)

計算日数を短くした場合(7日)
ドル円 RSI度数分布図(7日)
計算日数を長く取ると値が中央付近に近くなり(50近傍に寄ってくる)、短くすると分布が広がるのはこれまでと同様でした。
ドル円ではピークのシフトは確認できませんでした。
7日の方は0と100の度数が増加しているように見えることもこれまでと同様です。

もっと短くしてみます(4日)。
ドル円 RSI度数分布図(4日)
こちらの方もこれまでと同様の挙動になりました。


データ区間を2年ごとに区切り重ねて表示も同様に行いました。
ドル円 RSI度数分布図(14日) 2年区切り
目立つのは赤のラインのピークが右寄りなことです。

50日の場合が以下の図です。
ドル円 RSI度数分布図(50日) 2年区切り
赤のラインのピークが中央にシフトしました。
紫、空色、青のラインのピークが若干左のようです

4日の場合を見てみます。
ドル円 RSI度数分布図(4日) 2年区切り
4日では期間ごとの偏りは見えませんでした。これは日経平均、TOPIXと同様です


まとめ
日経平均、TOPIX、ドル円でのRSIの挙動に大きな差異はなかった。

RSIは14日前後の計算期間では度数分布が正規分布に近くなる。(日経平均、TOPIX、ドル円の場合)
計算期間を長くすると50付近の値を取りやすくなり、短くすると取る値の幅が広がる。
また極端に短くすると0近傍、100近傍の値を取りやすくなり、それ以外の値はほぼ一様に分布するようになる。

期間ごとの差異はそれほど大きくないが、上昇相場が続いた場合はピークが右にシフトし、下落相場の場合は左にシフトする傾向が見られる。



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