ADX(Average Directional Movement Index)
J. Welles Wilderによって開発されたトレンド系の指標で、トレンドの強さを測定する指標です。
DMIで計算したDI+,DI-を使ってDXを計算し、その移動平均を取ります。
移動平均は単純移動平均を取るものと指数移動平均を取るものがありますが、ここでは単純移動平均で計算したものを説明します。

計算式
DMP = 当日高値 - 前日高値
DMN = 前日の安値 - 当日の安値

DMP < 0 かつ DMN < 0 の場合、DM+ = 0,DM- = 0
DMPかDMNが正でDMP < DMN の場合 DM+ = 0,DM- = DMN
DMPかDMNが正でDMP > DMN の場合 DM+ = DMP,DM- = 0
上記以外の場合はDM+ = 0,DM- = 0

DI+ = DM+のN日間総和 ÷ TrueRangeのN日間総和 × 100
DI- = DM-のN日間総和 ÷ TrueRangeのN日間総和 × 100

DX=(DI+ - DI-)の絶対値 ÷ (DI+ + DI-) × 100
ADX = DXのM日単純移動平均
ADXR = ADXのL日単純移動平均

日経平均終値とADX
ADXが上向きの時は上昇トレンドと判断します。
下向きの時は下落トレンドと判断します。



ExcelでADXを計算する
Excelを使ってADXを計算する手順を説明します。

使用する関数
AND(論理式1,論理式2,…)
すべての論理式が真の場合真を返す。そうでない場合は偽を返します。

MAX(数値1,数値2,…)
指定した数値や範囲内の数値の最大値を返します。

MIN(数値1,数値2,…)
指定した数値や範囲内の数値の最小値を返します。

SUM(数値1,数値2,…)
引数の合計を計算します。

OFFSET(基準セル,行数,列数,高さ,幅)
基準セルから指定した行数、列数だけ移動したセルを参照します。 または高さ、幅を設定して基準セルから指定した高さ、幅のセル範囲を指定します。

AVERAGE(数値1,数値2,…)
指定した数値や範囲内の数値の平均値を計算します。空白セルや文字列は無視して計算します。


IF(条件式,真の場合,偽の場合)
条件式を満たす場合は真の場合の値、満たさない場合は偽の場合の値を返します。

ROW(セル)
セルの行番号を返します。何も指定しない場合はROWが書かれたセルの行番号を返します。

ADXはDMIで計算したDI+とDI-を使って計算される指標です。
OFFSET関数を使って任意の日数のADXを計算できるようにしています。

M列までの計算式はDMIと全く同じなので計算式の解説はDMIを参照してください。

O4セルはADXの計算日数を指定するセルとします。
P4セルはADXRの計算日数を指定するセルとします。

N列でDXを計算します。計算式はDI+とDI-の差の絶対値をDI+とDI-の和の商なので
計算式は
ABS(L6-M6)/(L6+M6)*100
となりますが、これでは分母が0の時に0除算のエラーが発生するので、分母が0の場合を考慮して、
IF(AND(L6=0,M6=0),0,ABS(L6-M6)/(L6+M6)*100)
とします。

O列でADXを計算します。ADXはDXの単純移動平均なので、
計算式は
AVERAGE(OFFSET(N6,0,0,-$O$4,1))
となります。

P列でADXRを計算します。ADXRはADXの単純移動平均なので、
計算式は
AVERAGE(OFFSET(O6,0,0,-$P$4,1))
となります。

G6〜P6セルをコピーし、G7以下のセルペーストすればADXが計算できます。

Excelファイルがダウンロードできない場合はリンクを右クリックして「対象をファイルに保存」を選択して保存すればダウンロードできます。


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